高齢化社会における遺品整理の重要性と意義
現在、日本社会は高齢化が進み、遺品整理の重要性が増しています。
そもそも、皆さんは高齢化社会と遺品整理がどのように関係しているか考えたことはあります
か?
まだ遺品整理の経験がないという方も、悲しいことですがいつかは経験する時がやってくるは
ずです。
いざという時に慌てず落ち着いた行動が取れるよう、遺品整理の重要性をお伝えしたいと思い
ます。
■高齢化社会が遺品整理に与えた影響
日本では高齢化社会が深刻化を増しており、今後もますます、高齢者が増えていく見込みです。
高齢化が進んできた結果、現在の日本では次のような問題が生まれています。
- 高齢者を支える若手世代が少なくなっている(少子高齢化化問題)
- 高齢者が亡くなったことで住人のいない家屋が増えている(空き家問題)
このような問題があり遺品整理の需要はますます増えているのです。
最近では、テレビ番組や新聞、ネットニュースなどでも、遺品整理の特集が組まれるほどです
。
少子高齢化や空き家問題が原因で、なぜ遺品整理の需要が増え、遺品整理に注目が集まるので
しょうか。順番に理由を見ていきましょう。
■大切なものを受け継いでいくために(少子高齢化問題)
人が生活をし、生きていくうえでは多くのものを必要とするとともに、自分が好む品などもど
んどん増えていきます。
ただ、当たり前のことかもしれませんが、どんなに大切な品や思い入れのある品でも、死後の
世界まで持っていけません。
亡くなった方が所有していたものは整理や供養する必要があります。
しかし、少子化や核家族の増加で、親世代、子世代が別々に暮らしているケースが増えている
ため、スムーズに遺品整理ができない場合も多いのです。
遺品整理を行わないと、故人が大切にしてきたものや価値のある高価品などが、そのまま放置
される、または、ゴミとして処分されてしまうおそれが生じます。
大切なものや価値あるものを受け継いで次世代へつなぐために遺品整理は重要です。
受け継ぐことは、必ずしもご遺族にお渡しするとは限らず、遺品整理を通じて買取やリサイク
ルを行うことで、必要な方へと受け継がれていくことも含まれます。
■空き家を放置しないために(空き家問題)
少子高齢化や核家族に加え、都会志向やマイホーム志向といった日本人特有の価値観や文化に
より、ご両親や親族が亡くなった際に、誰も自宅を引き継ぐ方がいないケースも増えてきまし
た。
子どもがおらず自宅を相続する人がいないケースだけでなく、相続人がいても、住む人がいな
いケースが増大しています。
かつては親が高齢化すると都会から故郷へと戻って実家を引き継ぐ方もいました。
ですが、今は都会に出てマイホームを持ち、地元には戻らない方が少なくありません。
子どもの数が減少しているのに、それぞれがマイホームを持つ時代になり、親が亡くなった後
の実家が空き家になるケースが増えているのです。
さらに、人口減少により築年数の経過した空き家を購入したい、借りたいといった需要も減少
傾向にあります。
活用できないからと放置される方も多く、老朽化して倒壊リスクが高まることや不法投棄など
によってゴミ屋敷化するなど、空き家の放置が社会問題化しています。
地域によっては行政機関から撤去などの勧告がなされる場合や代執行により解体されたうえで
解体費用が請求されることもあるので、適切に整理する必要があります。
活用の具体例として、売却や賃貸に出すことができます。そのためにも、まずは遺品整理をす
る必要があります。
遺品整理をしておくことで、買い手も借り手もいないから解体せざるを得ないと考えた場合も
、スムーズに解体へと行動を移すことができます。
まずは遺品整理を行ってから、次の行動を検討しましょう。
■遺品を無駄にしないために
自分の所有物や一緒に生活している家族の所有物なら、もう使わないから売る、壊れたから捨
てるなど、自分の意思や家族と確認し合って気軽に処分ができます。
しかし、遺品整理は単なる不用品処分とは異なります。
遺品はお亡くなりになった方がそれまで確かに存在していたという歴史であり、証なのです。
残されたご家族との思い出の品でもあります。
捨てることや手放してしまうことは、その歴史や思い出も手放すことになるため、一つひとつ
よく考えて整理を行わなくてはなりません。
不用品処分の場合には壊れているもの、動かないものは捨てる、価値の少ないものはいらない
という方向に働きます。
ですが、遺品の場合には壊れていても、価値がほとんどないものであっても、形見の品として
大切に持ち続けたいものもあるはずです。
また、ご遺族にとっては価値がないと思える品であっても、骨とう品やコレクション品など思
わぬ高額な価値がある品が含まれている場合もあります。
価値を知らずに粗大ゴミで捨ててしまったとなれば、ご遺族が資産を失うだけでなく、価値の
ある品が必要な方や価値のわかる方の手に渡らないまま、この世から消えるという残念な結果
につながってしまいます。
このように遺品整理というのは、不用品処分とは性質が異なるため、一つひとつ丁寧に仕分け
をすることや専門的な知識を持つ業者に価値を確認してもらうなど、丁寧に遺品整理を行うこ
とが重要となるのです。
■高齢者側から見た生前整理の必要性
ここまでは残された遺族の側から見た遺品整理の重要性をご案内してきましたが、高齢者の側
でも自分の死後のことを見据えて、少しずつ生前整理をしておくことも大切です。
不用なものは処分する、価値のあるものは売却したり、早めに家族にその価値を伝えたり、譲
るなどして、残されるご家族の負担を軽減し、価値がわからないために捨ててしまうようなリ
スクを低減させましょう。
生前整理について(参考までにどうぞ)